造血幹細胞移植後におけるクローン性造血の動態に関する解析
研究課題「造血幹細胞移植後におけるクローン性造血の動態に関する解析」
【研究目的】
この研究は、造血幹細胞移植の前後で、遺伝子変異の推移を観察し、長期的視野に沿った白血病発症の実態や危険因子の解明することを目的としています。
背景としては、以下の点が挙げられます。すなわち、近年、健康な方においても急性白血病で認められる遺伝子変異が見つかり、その数は加齢と共に増加することが報告されています。しかし、そのような異常を有する人のほとんどは、観察期間内に急性白血病を発症することはありません。また、稀ではありますが、造血細胞移植後に、レシピエントにおいて造血幹細胞移植ドナー由来の細胞から白血病を発症する例が報告されています(これは、ドナー細胞白血病と呼ばれています)。その一方で、そのドナーの多くは観察期間内に白血病を発症しておりません。これらの事実に関して実態は明らかになっていません。
【研究方法】
造血幹細胞移植に関して、同種移植群と自家移植群の二群で研究を行います。
同種移植群においては、移植後に採取され保存された患者様の骨髄検体や口腔粘膜、移植片として使用する予定で御提供頂き、保存されるも使用しなかったドナーの末梢血(幹細胞を含む)やドナーの口腔粘膜を対象とします。
自家移植群においては、移植前に採取された骨髄もしくは末梢血検体、及び移植片として使用する予定で保存されるも使用しなかった末梢血(幹細胞を含む)検体、移植後に採取された骨髄検体や口腔粘膜を対象とします。
これらの組織に含まれるDNAを取り出し、遺伝子異常の有無を網羅的に調べ、その経時的な変化を解析いたします。
なお、この研究の研究期間は、倫理委員会の承認日より2022年3月末日までを予定しています。
【研究機関名および研究責任者氏名】
この研究は、多施設の共同研究として公的研究費を用いて行われます。研究責任者は、筑波大学血液内科教授の千葉滋です。検体の採取および臨床情報の調査は筑波大学医学医療系血液内科において行われ、採取された検体の解析は筑波大学医学医療系血液内科及び東京大学医科学研究所において行われます。
【保有する個人情報に関する利用目的】
研究に必要な範囲で、診断・治療に関する診療情報や研究結果を解析のため使用させて頂きます。共同研究施設とは、個人が特定できないように匿名化した番号でやりとり致します。診断・治療に関する診療情報は、他の診療情報の開示の手続きと同様の手続きでお教えいたしますが、研究の結果自体は、現段階では意義付けがわからないために、問い合わせていただいた場合にもお教えいたしません。
研究に関するお問い合わせ、あるいは研究に協力を希望されない場合には、下記までご連絡をお願い申し上げます。
お問い合わせ窓口
〒305-8575茨城県つくば市天王台1−1−1
筑波大学医学医療系血液内科
担当医師 横山 泰久 (運営事務局責任者)
TEL 029-853-3293
FAX 029-853-8079
TEL 029-853-3110(救急外来,上記以外の時間帯)
※担当医師または血液内科の医師を呼び出してください。