血清又は血漿中の可溶型LR11(エルアールイレブン)測定試薬(SEA-A08A01)の臨床性能試験
臨床研究
「血清又は血漿中の可溶型LR11(エルアールイレブン)測定試薬(SEA-A08A01)の臨床性能試験」
について
筑波大学附属病院血液内科では、標題の臨床研究を実施しております。
本研究の概要は以下のとおりです。
この試験では、今後の治療に役立てることを目的に、悪性リンパ腫の患者さんの診療情報などを利用させて頂きます。診療情報などがこの試験で何のために、どのように使われているのかについて詳しく知りたい方は、文末に記載されている連絡先にご連絡ください。
① 研究の意義・目的
「可溶型LR11」は従来、動脈硬化やアルツハイマー病患者の血液中で高い濃度になることが知られている物質です。わたしたちはこれまで、LR11が悪性リンパ腫細胞からつくられ、血液中に放出されていることを独自に見出しました。そこで2010年より「造血器悪性腫瘍における血清可溶型LR11と予後に関する観察研究」を行い、血液中の可溶型LR11値を測定することにより、悪性リンパ腫の診断がよりしやすくなる可能性や、診断時の血清可溶型LR11値を参考に、治療効果や生存率を予測する新しい方法が確立できる可能性があることを見出しました。
これらの結果を踏まえ、可溶型LR11を測定する検査キットを体外診断用医薬品として製造販売承認申請を行うために、今回の試験を実施することになりました。
今回の試験は、積水メディカル株式会社(以下、試験依頼者)からの依頼を受けて実施しますが、試験担当医師と試験依頼者には 研究の成果に影響するような利害関係はありません。
② 試験の対象となる方
当院にて血管内大細胞型B細胞リンパ腫(IVLBCL)と初めて診断された患者さん
③ 試験の方法
対象となる患者さんからあらかじめ同意をいただいたうえで、当院で冷凍保存されている血液検体を用います。診断時の臨床情報(年齢・性別・病型・病期・血液検査結果)も収集され、匿名化されたうえで血液検体とともに積水メディカル(株)(つくば研究所)に移送されます。可溶型LR11濃度は積水メディカル(株)つくば研究所にて測定され、測定結果と診療情報との関連が解析されます。
なお、試験の期間は、2021年3月31日までです。
④ 調査する検査項目について
・被験者背景(診断時情報、治療内容、治療効果など)
・血液検査(可溶型LR11、sIL-2R、LDH、β2MG、CRP、Cre、Hb、Alb、WBC、PLT)
⑤ 個人情報の取り扱いについて
本試験で得られた個人情報は、外部に洩れることのないように厳重に管理します。患者さんの氏名などの個人情報は対応表によりコード化(匿名化)されるため個人を特定することはできません。
本試験の結果は積水メディカル(株)体外診断薬としての申請資料に用いられます。また、医学雑誌などに公表される場合がありますが、いずれ場合でも個人のデータであると特定されることはありません。研究データは海外での製造販売承認申請を行う場合は国外に持ち出される可能性があります。
また、正しくこの研究が行われているかどうかを確認するために、病院の職員、治験審査委員会※、厚生労働省の関係者はあなたに関する情報が記載されている資料を閲覧することがあります。
※筑波大学附属病院治験審査委員会にて、本試験の実施について審議し、承認されました。
治験審査委員会の議事概要、その他については以下のホームページで閲覧することができます。
つくば臨床医学研究開発機構 http://www.s.hosp.tsukuba.ac.jp/t-credo
⑥ データの保管について
申請用データは試験依頼者が保管します。
⑦ 研究に診療情報などを利用して欲しくない場合について
ご協力頂けない場合には、原則として製造販売承認の申請前であれば情報の削除などの対応をしますので、下記の連絡先にご遠慮なくお申し出ください。
本試験は厚生労働省による「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令 (GCP)」に準拠して実施しています。
<担当医師の連絡先>
責任医師: 血液内科 千葉滋 職名: 教授
担当医師: 血液内科 末原泰人 職名: 病院助教
住所:〒305-8576 茨城県つくば市天久保2-1-1 筑波大学附属病院
電話 :029-853-3127(血液内科医局, 平日9:00~16:00)